2023.05.22 【学びの窓(DX編)】 第33回 デジタル技術と労働環境と格差

【学びの窓 (DX編)】第26回 デジタルトランスフォーメーション編が始まります

今号コラムを執筆時点で、G7広島サミット2023首脳会議を19日週末に控えていますが、
4月22日~23日には地元倉敷にて労働雇用大臣会合が開催されたことは皆様ご承知の通りですね。
このコラムでは、「労働雇用大臣会合」と4月30日に群馬県高崎の「デジタル・技術大臣会合」で採択された宣言から、
私見ではありますが、気になる点について、お話しておきたいと思います。

 


 

DXに取り組むにあたっての「スキル」「リスキリング」について、これまでのコラムでも触れてきました。
4月23日の「G7倉敷労働雇用大臣宣言」では、これからの時代について、社会のデジタル化の重要性と、「人への投資」が重要であり、
「労働者がこれらの変化に対応することを支援するリスキリングは、経費とみなすべきではなく、人への投資であると考える。」と宣言しています。
また、4月30日の群馬高崎における「G7デジタル・技術閣僚宣言」では、デジタル社会における現在及び未来の課題について、
参加国および関連団体の共通認識を確認したうえで、「自由」と「責任」を担保するためのセキュリティを含む「ガバナンス」の重要性について合意されています。


それぞれの宣言内容については、下記リンク先をご参照下さい。
 
 
 倉敷の G7倉敷労働雇用大臣宣言 のなかで私が注目したのは、
“II. 包摂的な労働市場の整備” です。
 
パンデミックでリモートワークの可否やジェンダーギャップと呼ばれる女性雇用の不安定化が顕在化したことをはじめ、
労働環境の格差が指摘されていますが、それらに対して、
 
高齢者のより長いキャリアを支援する
障害者のインクルージョンの推進
ジェンダー平等を加速する
若年者の労働市場への参加促進
 
といった項目で、政策の促進が記述されています。
多様な人々が多様な働き方を選択出来るためにデジタル化およびDXが今後の職場には必要であり、
社会全体としてSDGsに謳われている価値観の達成にも繋がることであると考えています。
具体的にはテレワーク等ICTを活用した働き方の多様化で実現出来ることは多いと考えています。

 
 群馬高崎の G7デジタル・技術閣僚宣言 のなかで私が注目したのは、
前回のコラム 【学びの窓(DX編)】 第32回 話題のAIとリスク管理 でも取り上げました “人間中心で責任あるAI“ に関する共通認識と方向性の提示です。
 
テクノロジー全般が「平等、包括、持続可能性、透明性、説明責 任、多様性、プライバシーを含む人権の尊重など民主主義の原則へのコミットメントによって形成されるべきである」ことが明記されており、
セキュリティ面からも“情報の完全性”について、AIを利用した偽情報の流布をも意識した注意喚起と対策の促進を謳っていると、私は捉えています。
AIの開発および利活用について、ガイドラインの整備がより加速されると予想しています。
 
また、“デジタルジェンダーデバイドを含むデジタルデバイド“を解消する観点からの提言も含まれており、国内での格差・国際間での格差を含め、包摂性を意識した宣言になっており、前記の労働雇用大臣宣言と合致した方向性であると捉えています。
 
これらの政策に関する提言・宣言は、私達には直接関係ないと思われる方も多いかもしれませんが、今は社会が大きく変わりつつある時代です。
社会の変化の方向性を見誤っては経営に支障が出ますし、取引先がこれらの施策の影響を受ければ、自ずと私達も意識せざるを得なくなるはずです。
何より、宣言の指し示す方向は「人間中心」「包摂的な社会」ですので、私達個人から地域社会まで、向かう方向として意識し、具体的に出来ることを方向性を見失わずに実行したい、と私は考えています。
 
来月の当社展示会では、上記話題に関連して、当社のSDGsへの取り組みを紹介する「SDGsブース」の展示や、
「企業のリスク管理」としての考え方をご提示するセミナー(私担当)もございます。ぜひお立ち寄りください。
 
お待ちしております。


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※会社・団体でのセキュリティおよびデジタル化についての相談は、当社担当営業・システムエンジニア・インストラクター・サービスまでご相談下さい。

■プロフィール

ピコシステム株式会社

セキュリティ担当 眞部 誠一郎
東京支社においてサーバー・ネットワーク・WEBシステムの構築に携わった後、岡山本社にて中小企業から大企業までネットワーク・サーバー等のITインフラの構築、セキュリティ対策の構築を担当。豊富な知識・経験を生かし幅広く活躍中。