
このコラムでは毎回、パソコンを使った操作が「楽々」になるチップスを
Windows・Excel・PowerPointなどのテーマから選んでお届けいたします。
チップスとは「ちょっとしたヒント」のことです。
さて第44回のテーマは書式設定です。同じ内容の表を作成しても、Aさんが作ると見易い、Bさんが作ると入力しやすい、という経験はありませんか?そこで今回は、小さな気遣いで表を見易くしたり、入力しやすくしたりする書式設定についてご紹介いたします。
どうぞお試しになってみてください。
■チップス① 罫線と値のすき間を広く取る
このスクリーンショットを見て、罫線と値の隙間に違いがあることがお判りでしょうか。
画面ではほんのわずかなことですが、印刷すると、特に老眼鏡などを通してみる視界では、見易さが異なります。
これは、値の後ろに半角スペースを置いているかどうかの違いです。それでは、その設定方法はセルの書式設定のユーザー定義を利用します。
1.[CTRL]+[1](フルキー)でセルの書式設定ダイアログボックスを表示
2.[表示形式]タブ
3.[ユーザー定義]
4.[種類]ボックスへ #,##0"(半角スペース)";[赤]-#,##0 を入力
→ #,##0は3桁区切りの数値の表記、末尾のゼロはゼロを入力した際にそのゼロ表示、#,###であればゼロを入力しても表示させない
→ ; 区切りの前が正の数、; 区切りの後ろが負の数、もうひとつ;区切りがある場合は末尾がゼロへの書式の指定)
一層見易い表にするには、セルの境界では、プリンターでどの線が最も邪魔にならないかを確認したうえで、線の種類を細い線や点線にするなどの工夫が可能です。
■チップス② セルに入力された月日の桁を二桁にそろえる
このスクリーンショットのように、月日の桁がそれぞれ、一桁だったり二桁だったりすることで、縦に綺麗に揃わなくて困った経験はありませんか?これも、セルの書式設定で簡単に二桁でそろえることが可能です。
1.[CTRL]+[1](フルキー)でセルの書式設定ダイアログボックスを表示
2.[表示形式]タブ
3.[ユーザー定義]
4.[種類]ボックスへ yyyy/mm/dd を入力
→ 和暦の省略形(例:令6年)は gge"年"m"月"d"日"
→ 和暦の完全形(例:令和6年)は ggge"年"m"月"d"日"
→ 和暦の年を2桁にするには、 gggee"年"m"月"d"日"
■チップス③ セルに入力された日付に対応した曜日を表示する
セルに入力した日付と曜日を対応させたい場合、例の左側の表のように、曜日のセルを用意している方が多いのではないでしょうか。
そして、何かの拍子に曜日と日付の対応がずれていて困ったことはないでしょうか。
セルの書式設定を使えば、ひとつのセル内へ日付を入力するだけで、曜日までを表示させることが可能です。
1.[CTRL]+[1](フルキー)でセルの書式設定ダイアログボックスを表示
2.[表示形式]タブ
3.[ユーザー定義]
4.[種類]ボックスへ mm"月"dd"日"(aaa) を入力
→ 完全な曜日(例:月曜日)を表示させるには (aaaa)
→ 英略称の曜日(例:Mon)を表示させるには (ddd)
→ 英語の曜日(例:Monday)を表示させるには (dddd)
■チップス④ 60分以上の時間の表記を分表記で表示する
時間の計算をする場合、60分を過ぎると時間[h]と分[m]で表示され、24時間を過ぎると24時間以上の時間が表示されないようになっています。
1.[CTRL]+[1](フルキー)でセルの書式設定ダイアログボックスを表示
2.[表示形式]タブ
3.[ユーザー定義]
4.[種類]ボックスへ [mm]"分" を入力
5.[OK]
→ 24時間を過ぎた時間を表記するには [h]:mm
■チップス⑤ (税込)を金額と同じひとつのセルに表示する
ひとつのセル内に表示したい文字列がある場合には、セルの書式設定ダイアログボックスの表示タブでユーザー定義の
1.[CTRL]+[1](フルキー)でセルの書式設定ダイアログボックスを表示
2.[表示形式]タブ
3.[ユーザー定義]
4.[種類]ボックスへ #,##0("税込");[赤]-#,##0 を入力
5.[OK]
いかがでしたか?このように、セルの書式設定ダイアログボックスの表示タブは、使い方次第で様々な指定が出来ます。そして、セルの値を入力するだけで付随する情報も表示させることが可能です。
今回は以上エクセルの日付の計算にまつわる チップスでした。お試しいただき、操作効率が上がるようでしたらさいわいです。ぜひお試しください。
「他にもこんなことできたらいいな?」のリクエストやご感想がございましたらぜひ、お問い合わせまでお知らせください。それでは次回までごきげんようお過ごしくださいませ。
■プロフィール

MS技術情報担当 井殿 寿代
研修プロセスデザイナー。 1996年~ 毎年数千人以上の企業研修の現場とコンサルティングをデザイン。惜しみなく現場のノウハウを伝える。
(企業研修設計・教育コンテンツ制作/Microsoft365・Teams導入支援/Office製品全般研修講師)